2020年2月11日

出来ないとは言えません

アスペルガー症候群の人にとって

「空気を読む」
「人の気持ちを考える」
「やり方がその都度変わる」
「複数のことを同時に行う」

なんてことはとても難しいことになります。物覚えも悪く、一人で出来るようになるまで何か月もかかってしまうんです。

かなり認知されてきたとは思うんですけどね。未だにそう言うことを理解せず仕事を与えている会社があるようです。

私の経験則から言えば、どんな人でも6か月間同じ仕事をさせれば、それを一人で出来るようになります。同じ仕事をひたすらさせるんですけどね。それを学習するまでの間に他の仕事は教えてはいけません。しかも半年間というロングラン公演みたいなもんですから、それに対してイライラせずに我慢する忍耐力も必要となってきます。

会社からすれば、その人材を育てる必要はない訳で、仕事の出来ない人は解雇し、仕事の出来る人を雇えば良いだけの話です。

「出来ないと言ったらクビになるかも知れない」

彼はそう言いました。
う~ん…
困ったわ…

彼が行っている作業はある種の「判定」をする作業です。事案に基づいてAコース、Bコースへと振り分けていくものらしいです。

(これはアスペルガーにとってキツイだろ…)

私は内心そのように思っています。同じ内容のものを単純に判定するだけなら時間をかければできるようになるでしょう。しかし、毎回異なる内容を理解し、さらに基準に照らし合わせて判定を行っていく。

そして、出来ない彼を周囲の従業員たちが責める。彼は彼で怒られたくないもんだから誰にも質問出来なくなってしまう。

「それ、前にも教えたよね?いい加減覚えてよ」

すると彼は自分の適当な判断で作業を行い、後日ミスが発覚してまた怒られる。

「出来ないことは出来ないって言った方が良いんだよ」
「出来ないと言ったらクビになるかも知れない」

彼はそう言いました。仕事は辞めたくないとも言っています。(う~ん…困りましたね…)

「あなたは飛行機を操縦出来ますか?」
「いいえ、出来ません」
「それと同じことなんだけどね」
「経験もありませんし、免許も持っていません」
「出来ないことは出来ないって言わないとね」
「飛行機を操縦することは私の仕事ではありません」

この瞬間、私はハッとしました。この表現ダメじゃん!ついついいつものように例え話でアドバイスしてしまいました。アスペルガー症候群の人間にとって例え話は通じません。

「私はパイロットではありません」
「いやいや、それは例え話ですから…」

ってなってしまうんですよね。このやり取りはさらに話をややこしくしてしまうんです。やはり彼の表情は「?」となっていました。ごめんね、完全におじさんが悪かったわ(泣)

「4月に異動があるかも知れません」

それが最善策ではあるんです。彼ができる事は絶対にあるんです。出来ないことをさせて教える方も教えられる方もストレスを溜めることに何の生産性もありません。会社にしてみれば多大な損失となります。

にしても、この会社の無理解さに多少のいら立ちを覚えます。アスペルガー症候群を理解して雇用すべきです。

経理が得意、営業が得意、英語が喋れる、イラストを描くのが上手い、分析するのが得意…

誰が上でも下でもありません。個性であり、特性が人によって異なるだけ。その中にアスペルガー症候群というカテゴリーがあるに過ぎません。異常に記憶力が良かったり、計算が早かったりなんて「特殊能力」を持っている場合が多いんですけどね。

「これからデートに行くんです」

そう言えば、この前合コンに行くと言っていたよな。どうやらそこで出会いがあったようです。今日が二度目のデートだそうな。相手も同じアスペルガー症候群の女性らしい。

「13:20に待ち合わせしているんです」
「そっか、楽しみだね」

これを皆さんには理解して欲しいんです。

「13:20に待ち合わせをする」

普通は13:00とか13:30とかに待ち合わせをすると思うんです。しかし彼らの基準にそういうことはありません。世の中、13:20に待ち合わせをする人種もいるということを是非、理解してあげて下さいね。「普通は」という言葉で押さえつけないで下さいね!

彼の恋愛運は好調でした。上手くいって欲しいと心から願います。